M1を北上する

ワイエムワークスヨーロッパの小椋です。今回は英国の高速道路事情についてお話ししたいと思います。

※写真は最近のものがご用意できなかったので、スタッフが渡英した際の少し古いものを共有してもらいました。

英国の高速道路網

英国の高速道路網「モーターウェイ(Motorway)」は、路線番号が M+数字で表されます。数字が1ケタは「主要幹線高速道路」で日本での東名高速や名神高速等の位置づけ。2ケタは「幹線-地域間高速道路」、3ケタだと「支線」、日本の地方部の短距離高速に相当します。明確には例外やもう少し細かな区分・複合区間があるのですが、概ねこの解釈でOKでしょう。ちなみに、料金はごく一部の区間を除き原則無料です。

主要幹線高速道路 M1・M6 の特徴

主要幹線高速道路の中核がM1とM6です。共にグレートブリテン島の南北を結ぶ流通ルートで、東側をM1、西側をM6が担っています。片側3車線以上の区間もあり、体裁は日本の主要高速道路とほぼ同じと考えていて良いと思います。大きく違うことは、「トンネルがほとんどない」こと、でしょう。M6の方はややアップダウンがあるのですが、英国は緩やかな丘陵地帯がほとんどなので、見通しもよく、道路状況の把握もしやすい(これ重要)ので走りやすいです。

走行レポート(速度感・マナー)

M1やM6の3-4車線区間を実際に走ってみての印象は、ペースは日本の1-2割増し、左から60/75/90マイル/h(96/120/145km/h)位でしょうか。右車線はたまに125マイル/h(200km/h、当然違法)級がいます。多くの人は中央レーンを75マイル/h(120km/h)位である程度の車間を維持し走ってます。左レーンは車線・速度規制のためトラックや商用車、キャンパーが多く規制速度が守られていたと思います。総じてマナーも良く、先行車・後続車をよく見ている(人が多い)な、と感じます。

私も中央レーンを概ね75マイル/h(120km/h)位で巡航します。たまに先行車につかえるので、右側から加速して追い越します。右レーンは台数も少なく追い越し用として機能していますが、ペースの速いクルマも巡航してきますので、右レーンに出たら前はモチロン、後方にも(ライト点灯したりパッシングはある)気を配り、(複数台をパスする場合は)キッチリ加速して後続車にブレーキ踏ませる前に追い越しを完了させる、がスマートです。

日本と違うところは、追い越し車線を低速で占有・巡行する人がほぼいない、という点でしょうか。危険性が高く、取り締まりが厳しいこともあり、減少傾向にあります。たまに見かけるのが、周囲の確認を怠って右レーンに入り、高速車にブレーキを踏ませるような状況です。容赦なくクラクションやパッシングの洗礼を受けます。重大事故になりかねない危険行為なのですが「煽り運転だ!」と思う日本人はいそうですね(笑)ついでに言うと、前に出て急ブレーキをかけたり、車体を被せてブロックするようなことは、まずないです。スムーズな流れを重視する、速いクルマの邪魔をしない、という感覚が根底にあるからなのか、成熟した自動車文化を持つ国であることを実感します。

渡英経験のあるワイエムスタッフにも話を聞いたのですが、「日本でも周囲に気を配る運転をしているなら英国でストレスを感じることはほとんどないのでは」と話していました。加えて「自動車での移動に関しての文化的習熟度も大きいけど、トンネルもなく、先行車・後続車の状況を10台分位、すぐに把握できる道路の構造自体による部分も大きいと思う」とも。ただ、排水性高機能舗装(英国でも“porous asphalt” と呼ばれる排水性舗装の普及が進んでいる)や照明の密度他、道路の品質・維持管理体制、という面では「日本がNo.1だろうね」だそう。

ちなみに、普通乗用車でのモーターウェイの法定最高速度は70マイル(約112km)/hです。法規の順守は重要ですし、SPECS(区間平均速度検知型)、HADEC(ピンポイント測定型)の取り締まりシステムも(もちろんペナルティも)ありますが、実際のところ、厳守というよりは、全体の流れを乱さない運転が安全にもつながり、重要と感じました。

サービスエリア事情

日本のサービスエリア(SA)に相当する施設(Services)ももちろんあります。サービスは充実していて、大型駐車場、トイレ、ガソリンスタンド(Petrol Station)、ファーストフード店、コンビニ、イートインスペース、場所によっては宿泊施設が併設されているところも少なくありません。ファーストフードはバーガーキングが多い印象です。

令和の今でこそ、日本のSAは世界トップクラスの充実度・完成度を誇りますが、「2000年初頭位までは英国・欧州の方がキレイで充実していた感がある」、とは前述のスタッフの談。価格は総じて、一般市街地よりも高め。この辺も日本と同じですね。特に燃料代は馬鹿にならないので、高速に乗る前に入れておくのが吉。

次回は「一般道路」についてお話ししようと思います。

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